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2010.12.30 *Thu*

一日いちおとなしさん



オン友さんがきてたのでおとなしさんおとなしさん言いながら寝る前に楽描きった一枚から。安定しないっすね…笑
続きに日音SS流しーなんか久々かもしれないです日音でSS形式とか。イルミネーションイベント行って来た帰りにもそもそ携帯打ち込んでたやつ。いちおAE会長音無さんとクラスの問題児っていうか元気っ子日向設定でパロな日音。



-side hinata-



カリスマ生徒会長、またの名を高嶺の花。風紀を乱そう物ならば容赦無く首根っこを捕まれ生徒会室に引きずり込まれた挙げ句、生きて帰ってこれたやつは居ない、なんて洒落にもならない噂が立つ程度に、音無と言う学生は時の人だった。
女子生徒からはもとい男子生徒からの人気だってそりゃあもうハンパない。なんというのか、男が憧れる男の空気と何処かミステリアスな雰囲気を併せ持つ容姿端麗な男子学生――――なんて当然そうそう居るわけもない。自他共に認めるクラスのムードメーカー的存在、日向秀樹も密やかにそれに憧れる一人であった。風紀を乱すというより、静かにしていられる事の方が少ない彼の性格上、騒いでいる所を音無に見付かって生徒会室で説教喰らってゲッソリと痩せこけた顔で教室に帰る事なんて割と日常茶飯事で、当然厄介者だと思われているに決まっている、と思い込んでいたから、だから、冬休みに入ろうかと言う頃にもなって、個人的に「今から外出しないか」と事実上夜のデートに誘われた時には心臓が飛び出るかと本気で危惧した。何だ俺またなんかしちまったか最近は大人しくしてたはずなんだけどな!





「…………わけわかんねぇ」

電飾が鮮やかに彩る夜の公園で日向はガックリと肩を落とした。突然誘い出されたかと思えば向かった先は夜の中央公園。それもこの時期はイルミネーションのイベントだかで冬の寒さに身を寄せ合う男女があちこちに見受けられる、少なくとも、男二人で来るにはまず有り得ない様な場所だった。しかも着くなり人込みに音無を見失った。メールで呼びかけたが返信は無い。わからない、音無という人間が全くわからない。日向が知る彼の等身というものは、美人な生徒会長で頭が良くて優等生で、こんな浮かれたイベントで騒ぐ様な人間でも迷子になる様な人間でもない。戸惑った、どう受け止めればいいんだこれは。

「………お、」

不意に携帯が震えて着信を告げた。音無からの電話だ、一瞬取り落としそうになったが間髪入れず通話ボタンをかじかんで感覚の無い指で強く押した。

「も…もしもしっ?!音無?今どこ―――」
『悪い、迷った』
「へっ?」
『園内広いだろ。綺麗だったから、つい』
「い、いや確かに広いけどっ…じゃなくて、今何処いんの!迎えに行くから―――」
『さぁ、何処かな』
「はいっ?」
『俺にも解んないや。探して、日向』
「ち…!ちょっ、まっ…」

ブツン。無情にも通話は一方的に切られてしまい日向は携帯を握りしめたまま深く長い溜息を付いた。探して、なんてそんなの。この広い園内でこの人込みの中を一体どうしろと。それでも持ち前の前向きさで今頑張らねば男が廃るだろ!となんとか気を持ち直し、入口で渡された園内マップを勢い良く広げた。広げた所でどうしようもない人の多さにすぐさま閉じた。せめてヒントくれよ!と泣きつきたい気持ちで携帯を再度取り出すとメールが入っていた。『星が綺麗な場所にいる』と一言。

真昼の空は快晴だった。当然今も雲ひとつない澄み渡った星空だ。何処から見たって星は綺麗に見えるだろ――…気まぐれな生徒会長に振り回されて本日何度目かの溜息をつきそうになったとき、何かに気付いた様に日向は駆け出した。マップを広げた際なんとなしに目に付いた場所がある、確信を持ってそこに向かった。電飾と人気のきわめて少ない奥行った小さな広場。すなわちそれは。



「―――はっ…はぁっ…」
「…よ、おつかれ、日向」

たどり着いた場所。確かに日向の予想は当たっていた様で、空を見上げてひそりと静かに佇んでいた音無がクラスの問題児の姿を確認して柔く笑った。普段の生徒会長の顔ではない穏やかな笑み。一瞬荒い息を整えるのも忘れた様に日向は惚けた。

「なんでわかったんだ?ここだって」
「…電飾、少ない方が星の光が綺麗に見えるだろ。相変わらず意地悪いな、生徒会長」
「うん。おまえの頭でそこまで思い至るとは思わなかった」

どういう意味だよ、と愚痴りそうになった唇はしかし、よくできました、とにこり笑みを向けられたおかげで上手に開かなかった。ほんとうに珍しい、こんなにも穏やかな彼の姿を見ることは。ちょっと照れ臭くて、振り回された気持ちもなんかどうでもよくなって、日向はつられて不格好に笑った。

「…今日さ、命日なんだ。妹の」
「―――えっ…」

突然の重い告白に一瞬脳内が白くなった。日向の反応を知ってか知らずか音無は淡々と言葉を続けた。

「最期に連れて来たのがここだった。だからもう一度来たかったんだよ、それだけ」
「あ…」
「悪いな、付き合わせて。お前にまで周りの変な目向けさせるのも悪いと思って」

迷ったなんてのは嘘。苦笑交じりに音無が言った。確かに男二人でこんなところ、好奇の眼差しを向けられるのは解っていたけれど、それを意識しない様な考え無しの人間ではないことも知っていたけれども。


じゃあなんだ、妹さんの命日にお前は、ただ、何となくさびしくて。理由も告げずに、普段から迷惑しか被っていない俺を、ほかでもない俺なんかを。こんなにも大切な場所に連れてきたっていうのか。なんだ、なんだよそれは。わかるわけないじゃないかそんなの。言ってくれなきゃ。ああいや、でも、そうか。

音無という人物像が、ほんとうの彼の姿が、なんとなくわかったような、気がした。

「いきなり重い告白してごめんな。来れて良かった。もう帰ってくれても―――」
「…んだよ、それ」
「……っ…」

上ばかりを向いていた音無が日向を振り返ろうと、もう帰っていいからと、そう告げようとした瞬間、ぐっと手を強く引かれて言葉尻を詰めた。いつにない強気な日向の行動に今度は音無が戸惑う番だった。

「日向…?」
「…なんで俺のこと誘ったの」
「…っ、それ、は…っ」
「いいや、言い直す。俺を選んでくれて、ありがとうございます、会長」

瞬間、目を見開いて、何も言葉が出なくなって、唖然と日向を見た音無の見たこともない姿が突然すごく愛おしく感じて、そのままゆっくりと、音無の体を胸元に引き寄せた。こんなにも、この体は小さかっただろうか。

「…なぁ、俺も重い告白していい」
「………程度に、よる」

抱擁は拒否されなかった。腕を回し返してはくれなかったけれど、答えた声はか細く震えていた。

「俺は会長のこと、実はすごく好きだから。知れてうれしい。ありがとう、ここに、連れてきてくれて」
「…っ…、馬鹿じゃ、ないのか…こんな」
「俺が馬鹿なのは、会長が一番よく知ってるだろ?」

ああほんとうに馬鹿だなぁ俺は。いくら人気が少ないからってこんな目立つ場所でこんな真似して、明日学校で何言われるかわかったもんじゃない。けど、ほうっておけなかったから仕方ないじゃないか。こんな頼りない、生徒会長の姿を。

すん、と鼻を鳴らす音が肩口からひとつ聞こえて、日向は抱きしめる腕に少しだけ力を込めた。


渇いた牡丹雪が、しん、しん、と。静かに降り積もる、穏やかで優しい、夜の話。










-side otonashi-



寂しかったとかそういう訳じゃない。兄としての義務感とか毎年の恒例行事だとか、そういう感覚でも多分ない。ただそこに今年も行きたかった。行ってやりたかった。そうすることで彼女は喜んでくれる気がして。けれども過去に二人で過ごした場所をたった一人で訪れるには余りにも悲しくて辛くてしんどくて、この歳になって生徒会長などという大それた役職を与えられていても未だ気持ちの整理をつけられるほど大人に出来ていない脆い心はどうにも耐えれそうになかったから、それで、ふと頭に浮かんだのは彼の顔だった。それだけだった。

「…探してるだろうなぁ、日向」

一人、人気の無い小さな広場に佇んで、行き交う人々の波を視線の端に捉えながら夜空を見上げた。悪い事をしたなと我ながら思う。男二人こんな浮かれた家族や恋人同士のイベントに来た所で好奇の視線しか向けられないだろうし、だから、二人で園内を歩く必要がない様にわざと迷ったフリをして、わかりにくい電話とメールまでよこして、日向が一人自力でここまで辿りつくのを待っていた。いや、別に待つ必要なんてなかったのだけれど、流石にここまで連れてきて置いてきぼりにするのも気が引けた。せめて理由くらい告げて帰ろうと思ったのだ。だってここは大切な場所だったから。最愛の妹と訪れた最期の場所だったから。暫く冬の乾いた空気に身を任せていたかった。

「は…っ、はぁっ…音無、」
「…よ、おつかれ。ひなた」

メールを寄越してから僅か数分も経たない内に、白い息を切らしながら目的地へと辿り着いた問題児の姿を確認して、ついつい笑みが零れてしまった。一体どれだけ走ったんだろう。あんな解りにくいメール、そのまま呆れて帰ってもよかったような物なのに。なんでわかったんだと問えば、電飾と空の光の関係だと正に的確な回答が返って来たのでこればかりは本当に感心した。なんだ、やればできるじゃないか。普段飄々とした態度しか取らないくせに、変な所でばかり真面目なんだなと思って。

「今日さ、命日なんだ。妹の」
「えっ…」
「最期に連れて来たのがここだった。だからもう一度来たかったんだよ」

まったく何も気にしていない様な口調でもって、今日彼を誘った理由をあかした。話が話だけに変に重い空気にさせたくなかったし、自分の都合で振り回してしまったのだから、そういう自覚もあったから、話すことでこれ以上の干渉はさせるべきではないと思って、それだけ、と早々に話を切り上げた。明るい彼のことだ、こんなしみったれた話はきっと性に合わない。

「悪いな、付き合わせて。お前にまで周りの変な目向けさせるのも悪いと思って」
「……」
「迷ってたなんてのは嘘。いきなり重い告白してごめんな、もう帰ってくれてもいいか―――」
「…んだよ、それ」
「っ…!」

突然腕を強く引かれてつい言葉が続かなくなった。驚いた。こんな強気な行動に出る日向の姿は初めてで、振り返って目にしたその顔が余りにも真摯でやさしいものだから。それだけで思わず鼻の奥がツンと熱くなってしまった。表情を崩さない様にするのが精一杯だった。ただでさえ、こんなにも悲しい夜に、そんなまっすぐな瞳を向けられたら。

「…なんで俺のこと誘ったの」
「…っ、それ、は…っ」

丁度良かったからとか、どうせお前用事なかっただろとか、建前は用意していた筈だった。しかしそのどれもが口を付くことはなく言い淀んで、けれどもうろたえてみっともない顔を晒す前に、日向がゆるゆると首を振った。

「…いいや、言い直す。俺を選んでくれて、ありがとうございます、会長」

――そんな、ことを。まさか彼に言われると想像もしていなかったし、ただでも既に涙腺が緩みそうになっていた所だったし、何より驚愕したことは、自分で思う以上に、音無自身が彼を――側においておきたかったのだと。この大切な日にただ、側に居て欲しかったと、そう思っていたことが、何より。そしてそれを自覚してしまったら、もうどうしようもなくなって、引き寄せられた日向の体を突き返す事も当たり前に出来なくて。どんな風に思われてしまうんだろう、普段皆を指導する立場の、こんな自分の情けない姿は。けれどもそんな自尊心がどうでもよくなってしまうくらい、抱きしめられた体温は暖かかった。

「…なぁ、俺も重い告白していい」
「………程度に、よる」
「俺は会長のこと、実はすごく好きだから。知れてうれしい。ありがとう、ここに、連れてきてくれて」
「…っ…、馬鹿じゃ、ないのか…こんな」

ついに抑えきれずふるりと声が震えたけれど、背中を叩く手に全て赦された様な気持ちになった。俺が馬鹿なのは会長が一番よく知ってるだろと馬鹿に開き直る声はいつもと変わらない日向のそれで、そのことがただ無性に音無の揺れる心を落ち着かせてくれた。馬鹿は俺の方だ。自分の都合で振り回して、こんな姿を晒して、顔が上げられない。上げられなかったけれど、返事を返す代わりに日向のジャケットの裾を小さく握り返した。

「……ああ、そうだな。知ってた、お前は馬鹿だよ。でもそれが、今は嬉しいのかもしれない」
「…だからなんだよそれは。素直じゃねー会長様だなァ。寂しかったって正直に言えばいいのに」

冗談めいた様に言いながらも、あっごめん嘘怒んないで!とまた彼がおどけて見せたので、ついつい小さく笑みが零れて、でも言わせたままで居るのはほんの少し悔しかったので、離れかかった体をすぐさまぎゅうと抱きしめ返したら日向の体が一瞬固まった。ひとたび決壊した涙腺は、やっぱり暫く収まりそうになかった。

「――…今日…だけ、だから…ごめ、ごめん。だめだ。だって、大切だったんだ、ほんとうに」
「…いーよ、別に。嬉しいって言っただろ、おれは受け止めるから。ぜんぶ。」

今は天国にいるはずの、たいせつないのち。
明日はきっと笑うから。彼女がもう、こんな弱い兄貴のことを、心配しなくても大丈夫な様に。
どうか彼女もこの夜空のどこかで、わらっていてくれますように。




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この形式、6年前に同じイベント会場の帰りに2648で初めて書いたSSとネタも書き方も同じなんですが(…)持ちネタお約束パターンってことで…^p^
普段クールで素がちょっと不思議ちゃんな天然生徒会長なしさんでもかわいいと思います。ギャップもえギャップもえ!
でもアナエピの会長なしさんはこんな弱い子ではないだろうなぁ笑
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